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伝説に残る戦いは静かに始まった・・・ ところが永山駅から球場に向かう途中、空が厚い雲に覆われ始め、急に雨が降ってきた。それもただの雨ではない。結構強い降りだった。もしかしたら、試合が流れてしまうかもしれない。そんな不安を抱きつつ、球場に到着した僕らは、雨宿りしつつインパルスの到着を待った。 「今日は無理そうですね。」 球場にやってきたインパルスの古沢さんと話したとき、そんな言葉を交わしたような覚えがある。暖かくなったとはいえ、まだ3月である。雨が降って風が吹けば、手がかじかむほど寒いのだ。野球どころの話ではない。でも僕らはこの日を楽しみにしていたのだ。決して雨なんかで中止になっては困る。 「もう少し様子を見て決めましょう。」 心では頼むから晴れてくれ、と願いつつ雨がやむのを待った。奇跡が起こった。本当に雨がやみ、空がいくぶん明るくなり、風がやんだのだ。野球がやれる!そして僕らの2001年度が静かに始まった。 序盤から脅威のシーソーゲーム!! そうこうしているうちに、2回裏、早くも4点を取られた。畳み掛けるような打線のつながりはインパルスらしい攻撃だった。インパルス戦においては、序盤に大量得点されるともう取り返しがつかないことは誰もが理解している。少々得点してもすぐに追いつかれるのに、2回裏の時点で4点差はすでに大敗の予感である。 しかし、この日のAMIGOSは怯まなかった。3回表、二神が四球で出塁。山地が安打で続き、ビエンがタイムリースリーベースヒット。2点差まで追いつき、更に4回表、サードのエラーで伊沢が出塁すると、富田が振逃でまたもやランナー1・2塁。ここで先発投手の二神が自力で同点とする2点タイムリースリーベース。ついに追いついた。 ところがインパルスは4回裏にまたもや1点を加え勝ち越し。更に5回裏にはまたもや4点を加えついに5点差。AMIGOSは敗色濃厚となった。言い方が悪いが、いつものパターンである。ある程度の見せ場は作るし、それなりにも粘るのだが、終わってみれば大差をつけられて負けてしまうのだ。それも、いつの間にかズルズルと。 奇跡の男・ミキオ、そして執念の男・伊沢 まず、伊沢の打ち損じがファーストのエラーを誘う。続く平出が倒れるも、またもや二神の打球に相手セカンドがエラー。そして続く八木は四球、ビエンは死球を受ける。この回、ここまでで2点入って、なおも満塁。一打、逆転のチャンスである。迎えるバッターは北川。 思い起こせば、この北川幹雄という男。この日まで「俺が四番だ」とか「俺まで回せ」とか、そういう台詞は言わない男だったような気がする。しかしこの打席を境に、ビッグマウスな男になった。それだけの働きをし、それだけの期待をもてる打者になったのだ。 北川はこの一打逆転のチャンスにフルスイング!ジャストミートした打球は遥か遠く、レフトの頭上を越える打球となった。逆転満塁ホームラン!!こんな奇跡を起こせる男は、この北川幹雄をおいて、他にはいないだろう!! ついに5点差のビハインドから逆転したAMIGOSだったが、さっそく次の回に追いつかれる。どうも先発の二神がピリっとしない。やはりこの寒さのせいか・・・。最終回は伊沢をマウンドに送り、なんとか勝ち越しを狙うしかない。もうベンチは総立ち。テンションは最高だった。 伊沢はすさまじいピッチングだった。あの脅威のインパルス打線を完全に封じ込める。インパルスも執念の粘りでAMIGOSにつけいる隙を与えない。7回からマウンドに立った伊沢だったが、勝ち越した状態でマウンドにあがるシーンは一度もなかった。1点でも取られれば、そこでサヨナラ。ゲームセットという状況が続いた。延長9回にちょっとしたチャンスがあったが、インパルスの堅い守りに阻まれ得点に結びつかない。伊沢は苦しかったことだろう。お互いに無得点が4イニング続いた。もうボールも見えないくらい暗くなってきた。 かくして日没を迎えた。10対10。引き分け。AMIGOSがインパルスに初めて負けなかった試合である。泥沼のような打撃戦に食らいつき、息もつかせぬ投手戦を粘り抜いての結果だった。勝てはしなかったが、皆の顔が満足げだった。 |